2010年5月10日月曜日

本の整理がつらい

部屋の本の整理を余儀なくされる。
俺の部屋にあるテレビ端子を地デジ対応にするために、ちょっとした工事が必要だと大家から連絡があったためだ。
「俺の部屋にテレビ端子なんてあったっけ?」と隣の部屋(同じ間取り)の住人に端子の位置を問い合わせたくらい、最初は端子が本当に存在しているかすらわからなかった。
しかし調査の結果、どうやら端子は部屋の最奥部に存在しており、しかもそこまでの道のりは買って読むヒマ無く山積みにされた本の奥深くに埋没していると言うことが発覚した。
つまり、端子のある位置までの本をまとめて道を造り、かつ工事の兄ちゃんの作業にじゃまな分は処分しなければならぬ。

見もしないテレビの接続端子のために俺の本を整理しなければならない理不尽に納得のいかないまま、本の整理を開始したのが5/5のこと。

その後、毎晩1~2時間ずつ既読の本とまだ読んでない本をふりわけ、さらに読んだ本を「もう一回読みたいときのために残す本」と「古本屋に売り飛ばす本」に区分するのだが、この作業がなかなか終わらない。 

俺にとっては「本の整理」というヤツは、まさに身を切るようにつらい作業なのである。
実際がところ、俺は「読みたいと思った時にその本が読みたいから」蔵書を購入し、増やすタイプの人間であり、図書館で読める本でも面白ければ手元に置いておきたくて購入してしまう種類の人間なのである。
よって、暇つぶしに買った本はさておき、蔵書の多くは「もう一度読みたいからキープしてある」本であり、ここから不要なものを分けろと言われてもなかなか難しい。
また、整理を続けるうちに、「ああこの本は、俺が高校の時に買った本」「ああこっちは女にフられた傷心を癒やした落語全集」などといった”思い出”という付加価値がついた本が発掘されるに至り、仕分け作業は難航に難航を重ねることになる。

しかし一方で、冷静で計算高い俺は「部屋代を考えろ! この本が占めてる面積を家賃換算したら年にいくらになると思う! だったら処分して読みたいと思ったときにマンガ喫茶なり古本屋に行く方が経済的だろうが!」と繰り返し叫んでいる。

こうした矛盾と葛藤を何度も繰り返したのち、私的な整理であればこのへんで「ん、まあ俺もガンバった! 残りはまた今度な!」などと自らの健闘を称えつつも整理をあきらめ、整理途中の書籍を元の位置に戻して全てをなかったことにしてしまうところなのだが、今回の整理では「端子交換の時間まで」という明確なピリオドに加え、「作業ができるスペースを確保できるまでの書籍処分」という定量的目標までが示されている。

なんという難作業。
マゼラン星雲波高し。

それでも、今朝の4時までかかって、不要--とは言いがたいのだが、メジャーな作家だから再販もようけされてるし図書館行けばまず見つかるであろう本や、手放すのは心からつらいのだがシリーズが完結していて何度も繰り返し読んだ本などをミカン箱4つほどにまとめて部屋の外に出す。

蔵書の整理の終わった部屋は広々として、それまでの「山と積まれた本の隙間に座って作業をする」部屋から、あきらかに「書斎風の部屋」へと変貌を遂げていた。
まともに床の見える部屋を久しぶりに見下ろしながら、大掃除が終わったときのようなスッキリ感を感じつつも、俺の心の中にはミカン箱4つ分の大きな穴がぽっかりと空いているように感じられた。

そしてきょう、外出先から戻り、部屋を覗いてみれば、テレビ端子が真新しいソケットに変更されていた。

たかがこんなつまらぬものを取り付けるために、俺の本が処分されたのかと微かな怒りを覚えながら、俺は今日買ってきた文庫本と雑誌をテレビ端子の前に空いたスペースに積み上げた。


……ダメじゃん。


<きょうのプチショック>

整理に際して「まだ読んでない本」をダンボールに詰めていったらそれだけで2箱埋まった
どんだけ積ん読したら気ぃ済むねん俺。

しばらくはこれらの消化から、かなー。

4 件のコメント:

  1. 宮田です。
    本の整理が難作業である事について激しく同意します。
    私も先達て行なった引越しに際し整理したものの、効果的な整理は行なえませんでした。
    ミッチミチに本を詰め込んだクロネコヤマトのダンボールを15箱以上を引越し屋(ハトのマーク)のにーちゃんズに運ばせ、引越し慣れした猛者共の「これやばい!」「クロネコやばい!」「あと何箱ある?」「あと13箱・・・」といった頼もしい会話を俺は無駄に漢らしい表情で生暖かく見守っていました。
    今なら言える。
    ありがとう、ハトのマークの人。

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  2. >引越し慣れした猛者共の「これやばい!」「クロネコやばい!」

    わかる! うちでもほぼ同じ状況になってたw

    ……信じられるか? 子供が大きくなると、さらに本を片付けないといけなくなるんだぜ……
    【絶望に満ちた表情で】

    ところで引っ越したんだっけそういや。
    お子様誕生祝いもしてないし、いっぺんご自宅に招いておくれではないかね?

    【「禁断のぷれぜんと庫」の扉を解放しながら】

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  3. 宮田です。
    近いうちにお電話させて頂きます。
    あと宮田関連各位の方にこの場を借りて未だ引越し連絡葉書を出せていない事をお詫びしたいです。
    ここで詫びてどうするのかと自問。

    石川さんの近況見てると何時に電話していいか皆目検討がつかないのですが(ずっと稼動している雰囲気)、土日とかなら大丈夫なのですか。

    王からぷれぜんとを頂けるなんて光栄の極みです。
    なぜだか俺の普段仕事さぼりまくってる第六感が「全力で遠慮しろ」ってエラー音ビービー鳴らしていますけどきっと気のせいですねそうですね。
    きっと無駄に大きく無い、実用的なものを頂けるに違いないと確信しています。
    (無駄に大きく実用的でないものの例:骨とか)
    さっきから第六感が故障しているみたいなので石川さんが来るまでに修理に出しておきますわ。
    もうスイッチ切っておこう、第六感。

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  4. >電話
    あー、適当でいいよ。平日でも。
    19時以降は”会社的には”仕事してないことになってるから電話で話してても文句は言わせねえw

    >さっきから第六感が故障しているみたいなので
    ああ、壊れてるなそりゃ。
    捨てちゃったほうがいいよ、うん。
    捨てよう、さあ。
    【瞳孔の開いた目で必要以上に顔を近づけながら】

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